ステップ・アップ


 令和の時代に入り、川口市の介護予防ギフトボックスでのTBG体験教室の50名をこえる卒業生(その後各クラブに所属)や、直接各クラブへ新規加入された方々は、TBGの技術の基本を修得され、毎日ラウンドを楽しまれています。これらの方々の中には、最近のプレーに何か物足りなさを感じている方が多いようです。メンタル面の強化が望まれる段階に入っていこうとされているあなたにとってヒントになればと、次の景色への入口にご招待しようとするのがこのステップアップです。

ST-32 最適な 「決断」そこに ひらめきが 

 バーディチャンスや短い籠入れ等、ここぞという時にミスをすると集中力が足りなかったのでは等のアドヴァイスが飛んできがちです。本当にそうなのか、筆者はいろいろ考えました。「集中」したときの気持ちのありようを考えると、自分が「緊張」していることに気付きます。緊張すれば結果は望むべくもありません。また、いつもの何気なく行っている籠入れでは、置かれているライのこと等に注意を向けていないことでミスにつながってることも多いものです。それではどうしたらいいのでしょうか。筆者は脳の「直感に基づいたひらめき力」を向上させればいいのではないかとの結論にたどり着きました。色々なところでお話ししているように私達の脳には使い切れていない大きな力が潜んでいます。その表れの一つが、直感です。「勘」と間違われがちなのですが、直感は過去の経験に基づく脳に刻み込まれた事例が根拠になって、その時の最善策を教えてくれる「ひらめき」なのです。これからは、「置かれた状況を瞬時に判断した結果としてのひらめき」をいち早く引き出す訓練をすれば解決策になるのではと考えました。「ライ」だけでも、前上がり前下がり、左上がり左下がり、芝がフカフカしているのか筆者の頭頂部のよう(ベア)なのか等、一目で判断できるはずですが、ショットマットをセットする短い時間に対応方法まで即決できていますか?フェアウェイでは、風向きや左右の樹木、トラップの有無とそこまでの距離に応じたショットのコントロール等、ここにも瞬時の判断が出来るまで脳への貯金が出来ていますか。筆者はまだまだ不足しているので、ショットを決めるのに時間がかかる時があります。これから、その貯金残高を増やしにコースに向かいたいと思います。あなたにもステップアップに向けて同席していただけると有難いのですが。  

ST-31 大空に 地上のボール 運ぶため

 TBGのスウィングの目的は、ゴルフ同様L字型をしたクラブを使って、地上にあるボールをターゲットに向かって運ぶことにあります。この目的を高い再現性の補償をもとに達成するにはどうすればいいかが問われるわけですが、何といっても「今のあなたのスウィング」が裏付けのある基本に寄り添っているかにかかっています。筆者の頭にある基本は次のようなものです。ゴルフは回転運動ではあるが、前傾姿勢をとったスウィングであるということが原点です。そこでスタンスを狭めたうえで、「①右手一本でクラブを持ち右手首の角度を崩さずさないスウィングを心掛ける②次に左手を添えて右手一本の動きを損なわない意識でスウィングする③フットワークをプラスするが、上半身の動きを妨げないように、膝の屈曲と伸展をする意識で下半身は右足を踏み次いで左足を踏む動作を加える④身体全体が上下動しないように前傾を維持したまま脚の曲げ伸ばしによって骨盤の回転を加える」の4点を日々の練習に組み込み繰り返すのを忘れないことです。ここまで出来たら、スタンスを広げ大きくスウィングすればフルショットになります。基本をおろそかにした段階でステップ・アップは望めなくなることを念頭においておきましょう。  

ST-30 心には エゴとセルフが 住んでいる 

 スポーツにおける究極の集中状態を「無我の境地」といい、上達法に応用したのがアメリカのティモシー・ガルウェイです。彼はこの上達法を「インナーゲーム」と称し、「人間の心はエゴ(自我)とセルフ(自己)という二人の自分が住んでおり、そのうちセルフの働きに任せておけば運動をオートマチックに習得したり修正したりする能力を持っている」という考えのもとづき、テニスのレッスンプロとして活躍しています。その一方で「エゴがその能力を妨害しているために学習能力が落ちてしまうので、このエゴを静かにさせる必要がある」とも言っています。テニスで打ち込まれたボールがコート内にバウンドしたとき「イチ」と声を出しラケットで打ち返すときに「ニイ」と声を出すことがエゴを静かにさせるのだそうです。学生時代にテニスクラブに入ると、まずは「素振り」を繰り返したことでスウィングのコツがつかめた人も、実践ではスウィングがぎこちないとされていた人が、この「イチ」「ニイ」と声を出したところ素晴らしいスウィングが出来るようになったそうです。素振りで基本が出来ていた感はあるものの、この効果のほどは無視できません。そういえばTBG体験教室で、籠入れにおいて上達の眼が出なかった人に、メトロノームが刻む音に合わせて籠入れをしてもらったところ、そのコツをつかんだ人がいました。これに通じるところがあるようです。ガルウェイ先生の教えに従えば、TBGへ応用するにはトップの位置で「バック」と声を出し、インパクトで「シュッ」と声を出すことになるのでしょうか。「バック」「シュッ」ということに集中することでセルフがスウィングを自動修正してくれる期待が持てるようです。良い例として、10年以上前のTBG大会で熊谷ドーム内に響き渡るように、千葉県選抜の女性がインパクトと同時に「ヤーッ?」という声を上げロングショットをされていましたよ。ここで付言すると、「シュ」の声が意味するところは「クラブのリーディングエッジがマットを擦る際の音」で、切れの良さをお感じになると思います。これを「ヒット」と声を出すと、強く打つイメージになると思いませんか?これでは、ショット後の弾道のイメージと重なり、高い弾道を描くようになってしまいかねません。暫く体験教室は開講できませんが、初心者の方でも少しでも早く素晴らしい籠入れ・ショットができるように試行してみたいと思っています。(我が家で「バック」「シュッ」と声を出すと、「バクシュ」にちなみテーブルに「麦酒(ビール)」が出てくることがあります。グッド!) 

ST-29 体幹は クラブを持たずに 確認を 

 よく「素振りシングル」と言われます。本当の素振りの意義を理解出来ず、シャトルを置くと素振り通りのスウィングを再現できない人のことをいいます。では、体幹が大事だと理解しているあなたは、本当の「体幹」とはどういうものなのかお判りでしょうか。「体幹」とは「頭部から足の付け根あたり」までをさすそうですが、少ない動きの中で体幹を意識するために、ここでは胸から膝辺りに焦点を当てて、身体の使い方の一例をご紹介します。まず、太い柱の前にならえの格好で直立します。そして両手でその柱を挟み手を放さずにバックスウィングします。続けてフォロースウィングをしてみてください。柱を持ったままなので大きく回転はできませんが、上手くバックスウィングやフォロースウィングが出来ましたか。上手くできなかった方は、腕や肩のみで回転しようとした結果、お腹から腰のあたりが上手に動かせなかったものと思われます。そんな人は、バックスウィングでは左の膝を右ひざに寄せるようにスライドし、右脚に乗っている右腰を後ろに引くイメージで胸から膝までを回転させてみましょう。フォローはその逆です。これがスムーズにできるようであれば、ほぼ体幹が使えているといっていいでしょう。確認のために、この動きを柱なしで直立したまま身体がふらつかないようにそ柱なしで行ってみましょう。先ほどよりは大きく回転できるでしょう。更に、壁を背にして身体を前傾したアドレスの体制をとって回転してみてください。お尻が壁に当たることがなく、直立時よりも腰骨が大きく前に出たはずです。これが出来ればほぼ体幹が意識されているといえます。この感覚を活かしてクラブを持ってスウィングしてください。冒頭の「素振りシングル」ならぬ「体幹シングル」にならないようにご注意ください。あくまでも、シャトルを飛ばすことを意識せずに、体幹を使ったスウィングを再現することに専念しましょう。最近ですが、筆者はこの練習を北スポTBGの練習場で行っています。あなたもご一緒に練習し、ステップアップを目指しましょう。   

ST-28 体幹を 鍛えて君は 飛ばし屋へ 

 かねてより、体幹を安定させたスウィングをするようお話ししてきました。中でも籠入れの際の体は、再現性を高めるためにも上下ともに極力動かないようにと。しかし、大きなスウィングでは体を動かさないわけにはいきません。気持ち的には腰を引いたり回転させる程度とし、左右への体の動きを抑えていくイメージを持っていきましょう。あなたの周りにいる方で、最近飛ばなくなったと嘆いている方がいたら、どんなスウィングをしているか観察してみてください。身体全体で、力任せとも思えるような余分な動きをしていませんか。そんな方はほぼ全員が残念ながら体幹が鍛えられていないので、年とともに飛距離が落ちて当然なのです。ではどうしたら飛距離が落ちないようにできるのかですが、これまでお話ししてきた流れで察していただけるとおり、体幹を強化するに限るのです。もちろんスウィートスポットをとらえることが大事なのですが、飛距離が出せる人には①若さを武器に飛ばせる人②パワーを武器に飛ばせる人③体幹がしっかりしているので自然に飛ばせる人の3通りに分類できます。①の人は年を取るにしたがって飛ばなくなります。②の人はパワーが衰えると飛ばなくなります。③の人は年をとってもパワーが衰えても、体幹がしっかりしているので若干の衰えがあるとしても、飛ばし続けることが出来ます。あなたは①から③のどのタイプでプレーを続けたいですか。そうです、今から体幹を鍛えて寿命の長いプレーヤーを目指しましょう。体幹の鍛え方のポイントは別途お話ししていきます。

ST-27 ラウンドで コメント受けるは どの時点? 

 あなたがラウンドの指導を受けているとき、色々なタイミングでコメントを受けていることでしょう。例えば、はじめて風の影響についてコメントをいただいた時は、マットをセットする前だったと思います。2度目以降にはどのタイミングだったでしょうか。「今のマットのセットの仕方は、風の読みが足りなかった結果です」というようなショット後だったことを思い出しませんか。それは毎回アドヴァイスしていては、あなたの実力向上のために役立たないからです。左足上がりの籠入れの際、クラブの開き方の対応が出来ずに篭の手前に落ちてしまったときにも、事後にアドヴァイスを受けたことでしょう。なぜなら、一度目はコツがわからないのでアドヴァイスしても、二度目以降では、以前に指導したことを思いだしてほしいからです。一人立ち後は、指導者は傍にいられないどころか、ラウンド中のアドヴァイスは罰を受けるのです。あらゆる場面で指導を受けたコツについては、それが自分のものにできるか否かは記録や記憶をしておけるかどうかにかかってきます。ステップアップはこんなところにも転がっているのです。「アハ!ノート」の活用が望まれるところです。  

ST-26 マンネリが ステップアップの 敵と化す 

 日頃あなたはどなたとラウンドされているのでしょうか。同じメンバーだけに偏っているようですと、刺激や緊張感がなくなってしまいます。そうなると、漫然とラウンドするということになり、技術の向上が望めなくなってしまいかねません。壁に阻まれることもなく、スコアも日ごとに上下を繰り返すようになること必定です。毎回とまではいいませんが、ぬるま湯につかっているようでは刺激もなくなります。時には組の同伴者を変えてのラウンドを楽しみましょう。その際には、同伴者からいろいろなことを学んでください。更にあなたの素晴らしい技を披露することで、同伴者に刺激を与えてください。きっとステップアップしたあなたに気付き、次も一緒にラウンドしましょうと言っていただけるでしょう。  

ST-25 なんどきも 自筆のノート 読み返す

 どなたもTBGを覚え始めたときやその後に疑問を持つと、先達や仲間から教えを乞うことになったでしょう。その際、あなたはその教えを記録に残すようにされてきたでしょうか。筆者は最近A6版の大きさの「アハ!ノート」を作成し、「いつ、誰から、どんなコツを教わり、その時自分はこう納得した」等を自筆で残すようにしています。なぜこれがいいのかというと、ほかの頁でも若干触れてきましたが、「自筆」で残すということがミソで、壁に阻まれたあなたが納得した当時のことを鮮明に思い出すことが出来るのです。これはあなたの財産になること必定です。それを時間に余裕が生まれた時に、クラブのグリップを確認しながら読み返すことで、一段高い新世界に舞い上がれます。ついでですが、そんな努力をされている姿を仲間が目にされると、あなたはたくさんの愛好者の輪の中心にいることになるでしょう。  

ST-24 情けとか 手のかけすぎは 逆効果 

 ゴルフコースを一望すると、目の前に広がるまばゆいばかりのグリーンの素晴らしさに見惚れるという方が多いものです。フェアウェイとグリーン上とでは異なるとはいえ、色々な芝が使われているようです。この芝についてインターネットで検索した結果ですが、日本の気候に適し9割方で使用されているというベントグラス、バミューダ芝、ティフトン芝、高麗芝、ニューベント等はグリーンを中心に使用されています。夏場昼間の高温多湿に耐えた夕方にベントグリーンにたっぷりと水を与えると、根が耐えられず芝が溶けてしまうそうです。暑さに負けるのではなく水のやりすぎで芝がダメになってしまうと。まさに情けは芝のためならずです。一方、フェアウェーでは、多くが野芝が使われているのでしょう。この野芝は成長が遅く手入れが楽で、肥料は多くを必要としないそうです。このように、良かれとの思いで手をかけすぎると逆効果になってしまいます。これはTBGでも言えることだと気付きました。生徒さんに一から十まで教えようとすれば、都度声をかけてくれる先生のいる場ではうまく行くかもしれませんが、何時まで経っても一人立ちできません。先生の過去の教えを元に自分で考え、一人立ちすることが大きなステップ・アップだということですね。

ST-23 大会の 権利と義務を 考える

 大会を運営する側に立ってみると、選手が途中棄権したいと申し出るケースに出くわします。体調不良は不慮の事故であり仕方ないのですが、出だしの数ホールで今日はスコアが悪いからという理由です。同じ組になった方にも迷惑をかけることの理解が及ばないのでしょうか。また、スコアカード提出後成績発表前に入賞に絡まないほどの成績だったからとコースを後にされる方がいることです。特別の理由がある場合を除き、大会は閉会式を終える前にコースを後にすることなどありえません。大会運営者という多くの目に見えない裏方の準備・努力をどう考えているのでしょうか。再考を願うばかりです。更に、予選会を通過した方が本戦途中でスコアが悪いとして棄権するケースもしかりです。出場する権利を自分の意志で放棄するのだから本人の自由という声がありますが、それは本戦へ出るために努力をしたにもかかわらず、あと一歩で予選を通過できなかった方への夢を挫いたことにもなると思うのです。棄権した方が本戦出場前に辞退していれば、次点の方が出場できていたかもしれないからです。大きな大会に出場することをっ目標に黙々と練習されている方もいます。上記のようなことを背景に考えた時、大会の出ることは、その権利にのみ目がいきがちですが、義務のことも考えていただきたいと思っている筆者です。ステップアップとはスキルのことだけでなく、こんな点もその一つであると考えています。  

ST-22 守護神や 師範は君の 傍にいる

 868本のホームラン世界記録保持者王貞治は、荒川博という良き師範を得て、並大抵ではない努力を重ねた賜物として偉大な記録を樹立しました。バント数や、盗塁の記録等を持たれている方も、数え上げればきりがありません。いずれも、プロに教えるプロがいて、その裏に血のにじむような努力があってこそです。記録は破られるものとはいえ、これらの偉大な記録を破る者は今後出てくるのだろうか。大いに興味が湧いてきます。こんな師範・守護神に恵まれたいという思いを持つのは筆者だけではないでしょう。では、待ちの姿勢を持つだけで望みが叶うのでしょうか。壁に当たったとき例え「夕焼け空がまっかっか」になるまで朝から晩まで練習を繰り返しても、目標の水準に達することが出来るとは言えないでしょう。また遠征したコースで、素晴らしい技術を持った方がおられても、羨望の眼で見つめるだけでは、あなたの技術向上はままならないでしょう。一歩踏み込んで、肝心のポイントが何なのか教えを乞うてみませんか。今川口の北スポーツセンターTBG場には、師範になりうる方が黙々と練習されており、声をかけることで師範が培ってこられたポイントを細部にわたって指導していただける環境が出来つつあります。まさに、発祥の地でプレーされている方から直にご指導を受けることが出来るのです。現に筆者も時々ご指導いただいています。感謝・感謝です。いつかお返し代わりにご報告をしたいと思っているのですが、何時になることか?  

ST-21 今でしょう 練習メニューに 一工夫

 ステップアップを目指して楽しそうにプレーしているあなたは、今TBGコースで何を目標にしているのでしょうか。あなたがTBGをはじめられたきっかけは、教室に入られたことでしょうか。知合いの方に誘われてクラブに入られたことでしょうか。きっかけはいろいろあるかもしれませんが、ペーパーに落とされていたかいなかは別にして、ある程度のメニューに沿って練習してきたことでしょう。そのあなたは今どうしているのでしょうか。練習メニューにどれだけの神経を使っているのでしょうか。明日に生かせる練習メニューを作成して、人の二倍三倍もよく考えて勢力的に練習することが、あなたを一段の高みへ向けてステップアップさせてくれるプレゼントなのです。メニューに一工夫する術が分からなければ、気の置けない先達に相談して、あなたに最適なメニューを今すぐ作ってみましょう。同じ時間を過ごすにしても、コースで漫然とシャトルを打つだけではもったいないですよ。あなたの練習の成果は、練習の質(内容)と練習の量(時間)そしてやる気の掛け算で決まるのです。陰からあなたを見守っている人が傍にいますよ。   

ST-20 誰でもが 基本の練習 欠かさない

 スポーツは、基本を一つ一つ積み上げてスキルをレベルアップしていくものです。それがプレーの幅を広げることになり、更なる上を目指していくには、不要なものの削ぎ落しを経て無駄のない高度な基本へと進むものです。つまり上級者を目指す人ほど何時までも基本的なスキルを磨く練習が必要となるのです。これが「スポーツは基本に始まり基本に終わる」といわれる所以です。TBGの基本といえば、万人が認める「籠入れ」になりますので、毎日短い時間でも練習を欠かさないようにしましょう。スキルは頭で理解するものではなく、反復練習によって体で覚えるものです。あなたがもし基本練習は地味で退屈だと思ったとしても、それは大きな間違いです。上級者へのステップアップのために基本技術の価値とその奥深さを知って、基本練習に手を抜かずに励んでいきましょう。    

ST-19 見直しの チャンスをつかみ 変身を

 あるクラブの会長から特命を受けました。そのクラブはギフトボックスの教室を修了された方が中心に立ち上げたのですが、その教室への入会資格がない方への籠入れの指導をしてほしいとのことです。ギフトボックスは、川口市の介護予防事業の一環ということがあり、川口市以外の方は教室に入れないのですが、クラブの会員にはその規制はないので、知人がクラブで活動されていて、籠入れに特化したスキルをうまく指導できていないからとのことでした。その方たちとは何度かはコース内でお会いていたのですが、しばらくぶりに練習される様子を拝見したところ、いくつかここはおかしいという直しておいた方がいいのではというポイントが見えてきました。主にグリップの仕方の修正、クラブのマットとの接触が不足というものでした。ある程度TBGの面白さもわかったきて、ラウンドもしてこられていたので、自分なりのスキルを持ち始めた時期に今回の見直しのチャンスが来たのは有益だったと感じました。定期的な見直しが必要では?と思った練習日でした。    

ST-18 コース内 右や左に ヒント有 

 あなたは1番ホールのスタート地点にいると想定してください。右はAさんがプレーする9番ホールで1番とすれ違うように設定され、左は平行するようにBさんがプレーする10番ホールです。AさんBさんとも全ての面であなたとしのぎを削るほどの実力を持っており、それぞれがティーショットを打ち終えました。ここで問題があります。あなたはこれからティーショットを打つ順番がきました。あなたは何を考えてティショットをしますか。1番ホールのことだけ考えてプレーするのでしょうか。ステップアップを目指そうとしているあなたであれば、筆者は、あなたに宝の山を観てショットするようになってほしいのです。その宝の山とは、Bさんのショットの結果を活用することです。Bさんのショットは、あなたのこれからのショットの重大なヒントになるのです。風の向きや強さなどが同じような条件になっているはずですから、参考にならないはずがありません。自分のことだけ考えないで、あなたの周りのものをすべて自分に取り込んでいく心構えが欲しいのです。一方、すれ違うようにショットしてくるAさんのショットは、風向き等が逆向きの条件であるので、あなたが9番ホールに来た時の参考に頭の片隅に刷り込んでおくのです。コースに出たら、同伴競技者のことに気を遣うだけでなく、これからプレーするホールのことまで事前に把握していくくらいの気構えで気を遣ってください。コースに出たらボケッとしている暇はないのですよ。これは一例にすぎません。慣れるまでは大変でしょうが、ステップアップ間違いなしです。参考までに、川口市の北スポーツセンターTBG場の18ホールは、INとOUTがほぼほぼ左右対称に設計されていますので、上記のようなこと以上に他のホールに目をやることのメリットが大きいといえるのです。1番と10番、2番と11番、等々、他のプレーヤーだけでなく、自分のショットも参考になるのです。これも宝の山といえるかもしれませんね。ここ北スポTBG場のコースに来場され確認してみたらいかがでしょうか。楽しさも倍増です。  

ST-17 替え指の 効果を知れば しめたもの 

 楽器といえばピアノやギターを思い浮かべる方が多いことでしょう。ではその楽器の中で同じ音はそれらの楽器の中に何通りあるのでしょうか。ピアノは一つの鍵盤のみです。ところが、6弦を有するギターには同じ音が別の弦でも出せるのはご存知の通りです。こういう筆者は、大学在学中にクラリネットを手にしていました。このクラリネットにおいても替え指といって、指(運指)より同じ音を出すことが出来るですが、独学であった筆者は、そのこと知ったのがかなり後になってからのことでした。そのため、楽譜を覚えるだけでも大変だったのに、無駄に難易度を上げたり、スラーのかけ方や細かい音の連続の際は路頭に迷っていたものです。ギターでも演奏を楽にするには欠かせない方法なのはギター演奏を嗜む方であればすぐご理解いただけるでしょう。この替え指に類似したものがTBGにもあることを最近関連付けることが出来ました。あなたの先生もどこかで説明されたはずですが、例えば、籠入れの際でいえば、グリップの位置、フェースの開き方、カットしていくかなどです。5mの籠入れが得意な方であれば、3mの場合にはクラブの開きを大きくしたりバックスウィングを小さくしたりクラブを短く持つようにするなど、ちょっとした工夫をすることでショットを正確かつ楽にすることができます。このほかにも揃える場面に応じた抽斗は沢山あるものです。筆者が苦労した替え指の効果のほどを、今のあなたに味わってみていただきたくてご紹介しました。   

ST-16 判断の 速さと範囲 向上へ

 スキルの向上が認められあなたには、今後求められるのがショット前の状況判断の速さと範囲の正確性の向上ではないでしょうか。野球のように相手がいるスポーツであれば時間をおかずに判断しなければならないが、TBGにはこういう制約がないとはいえアドレスを取ってから時間をかけるようでは、上級者への道は程遠いといわざるを得ません。スウィングのスキルがある程度向上してきた今のあなたには、ティショットはもちろん2打目3打目でシャトルが置かれている状況判断で、今あなたがしているのはどんな事でしょうか。考えなければならないことは数えきれないほどあります。ライ一つとっても、傾斜はもう読まれているでしょうが、芝の生え具合、凹凸に気を遣っていますか。風ついていえば、風向き、強弱、間断なく吹いているのか、ホールの途中で切れ間はないかなど判断材料があります。あなたが定めたターゲット付近にはどんな障害物があるでしょうか。今のあなたは、スウィング技術の向上だけでなく、次のショットをいかに早く正確に判断できるかが求められる段階にいることを理解して、この判断の向上に向けてのステップアップの段階にあることを理解してください。ただここで問題なのが判断しても適切なショットの選択ができるかですが、都度の判断でのショットの選択を繰り返すことが、先々のスキル向上に結び付くことを忘れないようにしたいものです。 

ST-15 知らぬ間に 忍び込んでる 悪い癖

 あなたがTBGの基本的なスキルを学び初めてでからどのくらいの期間が経っているのでしょうか。色々な先生から多種多様なことを学んでこられたことと思います。その先生の指導方針は多種多様ですが、教わる側のあなたにはその違いは知る由もありません。敢えて言えば、先生自信が持っているのスキルや指導方針にも特徴があります。そこで、現段階でのあなたのスキルを見直してみて下さい。初めは教わる側として、先生がこうだといえば基本的にはその方法を踏襲してきたことと思います。そこで、ある程度の期間を経たあなたは、その教えをどう吸収しプレーに活かしているのかを思い出していただきたいのです。今のあなたのプレーは、先生の教えどおりでしょうか?アレンジを加えているのでしょうか?。なぜこんなことをいうかというと、あなたに悪い癖がついてきていないか見直す時間を持ってほしいのです。あなたの体の特徴を活かして現在のスウィングなりを作り出しステップアップしているのであれば素晴らしいことです。もし前の方がいいスウィングだと感じているのだとすれば、一度勇気を出して基本に戻ってみる価値が大きいと思います。悪い癖がついて固まってしまうと、その癖を直すには長い時間が必要になるといわれています。当初の先生でもいいのですが、今のあなたの過去を知っている仲間の方に見てもらって、直すべきところが出てくれば今のうちに直しておきましょう。見直す機会を持つことは、次へのステップアップには欠かせないことと常々思っています。もし、あなたが先生や先輩の中に悪い癖があることを見出した場合には、さりげなく教えてあげて下さい。筆者に指摘していただける方はほんの少数なので残念なのですが、自分の悪い癖には自分ではなかなか気づけないことなので、常に心を開いて受け入れる準備をしているのです。  

ST-15 観て聴いて 真似て考え 身につける

 何事においてもそうかもしれませんが、スポーツにおいても目的と目標があり、練習はその目的を果たし、目標を達成するためにあるのではないでしょうか。そのスポーツに特有のスキルを修得するためには、「この動きの目的は何か、このプレーの目的は何か」をしっかり意識したうえで練習することで、一段上へとステップアップが望めるのではないでしょうか。あなたがされていた、先日のコースでの練習でこの「目的」を意識していましたか?どんなに簡単なプレーでも、常に「この5mの籠入れを確実に決めるんだ」、「連続した5回の籠入れを確実に決めるんだ」というような目的意識を持ったうえで全力投球しましょう。優れた選手はいつでも、今の状況と自分の立場を把握して先を読み、次はこうしようと意識した練習に取り組んでいるようです。コース内の練習場で熱心に練習している方がいたら、あなたはその姿のどこに注目するようにしているのでしょうか。さりげなく眺めるだけではもったいないと思いませんか。あなたはTBGを楽しむためにコースに行かれるのではないのですか。練習場の空気もあるでしょうが、その時のあなたの顔つきや目つき、動き方次第で、あなたが常にステップアップを目指している人だと分かっていただけることでしょう。これでいいやと判断し進歩を放棄した人が周りにはいないことを願って。      

ST-14 グリップに 想いを馳せる 効果大

 グリップといえば、シャフトの握り方をいう場合と、シャフトの手元側にある手のひらで握る部分を指す場合の二通りがあります。シャフトの握り方については、ほかで論じますが、ここでは、シャフトの一部の方に目を向けていただきたいのです。グリップは、「ラバ―(ゴム)系」と「樹脂系」とがあります。ラバー系は伸縮性が強くグリップの中の両面テープの巻き方で太さを調節でき、柔らかさ・耐久性・コスト面から今でもグリップの基準とも言えます。一方、樹脂系は、伸縮性はラバーに比べ若干劣るものの、樹脂そのものの硬度設定が自在に出来る分、ラバー系以上の柔らかさ・食いつき感・グリップ力を備えるなど多様性に優れてる半面、耐久性においてはラバー系より若干劣り金額的にやや高めになる等の欠点もあります。なぜこんな特徴を述べたかですが、今お使いのグリップが、次のようなことになっていないかチェックしていただきたいからです。①グリップがツルツルしてきていないか②グリップが割れてきていないか③指が振れている部分がへこんでいないかの3つです。いずれかの症状がみられている方はグリップの交換時期であり、ステップアップを目指すあなたには交換をすることを考えていただきたいのです。毎日TBGを楽しんでいる方特に男性は今すぐに上記3つのチェックをしましょう。初心者の域を抜け出そうとしているあなたにとってステップアップが望めるということです。いくつかグリップの選択ポイントを挙げると、方向性重視の方は太め、シャトルの摑まり重視なら細め、飛距離重視なら軽め、操作性重視なら重め、フェースの向きを確認しやすくしたいならバックラインつき等でしょうか。ここで筆者はグリップの劣化を感じ、テニス用のテープをこのグリップに巻き付けて使用していたのですが、新品のグリップになったとの救いを求めたのですが、足元を掬われたようで効果はないどころか、かえってスウィングに悪い影響があることに気が付かなかったのです。どうりでテープを張ることで修正をしたつもりでいたのですが、スコアがよくならなったわけが納得できました。因みにプロゴルファーは3ヶ月以内にグリップを変えているようです。

ST-13 練習の 手順とするは 体・技・心

 情報誌の中で「プロゴルファーはこんなことをしている」との記事を見てアマチュアがまねをしようとしても無駄だということを聞きます。それは、書いているプロは練習量が違う等の理由を挙げています。プロゴルファーMKは少年時代からアプローチの練習を終日行っていたといいます。こんな練習があって初めてどんな打ち方をしてもスウィートスポットでボールをとらえるスキルを身につけられたのだと。ではTBGではどうでしょうか。今の私達には有り余るほど?の時間はありそうです。ではこの時間をどう使っているのでしょうか。練習場にいると、籠入れやコントロールショットをしている人はほんの数人で短時間です。先日初心者の方がコースに来られた際、籠入れを1時間ほどされましたが、面白くなってきたといってはいましたが腰が痛くなってしまったとのことでした。これまでに使ってきた身体の使い方と異なっていただけではなさそうです。歳とともに体力の衰えは明らかにありそうです。まずは「若かったころに近い体力」を回復し、飽きずに続ける才能を磨いていく必要がありそうです。そのうえで籠入れ、コントロールショット、自然環境等に対応していく「の習得」を目指し、コースに設けられたトラップや同伴競技者に影響を受けないでラウンドできる等の「メンタル面を強化する」という段階を踏んでTBGというものを学んでいくことになるでしょう。一般的には「心・技・体」の順番といわれることが多いのですが、プロゴルファーIAさんは今述べた「体・技・心」の順序を提唱しています。という筆者もまだまだできていないのですが。   

ST-12 実戦を 「記録で辿る」 は難しい

 囲碁の世界同様将棋の世界でも、対戦成績の手順等を記録した棋譜を見てわかることことと分からないことがあるといわれます。確かに、勉強のために棋譜を追うことは非常に大切な勉強になるようですが、実戦での雰囲気・空気までは読み切れないようです。時代が進み、AIによる分析も盛んに行われているようですが、人と人との対戦で、相手が選択した手が、AI的にはありえなかった(ミスも含まれる?)場合、相手が読みすぎて(悪手であればなおさら)とんでもない方向に進むようです。この辺は、筆者のような素人目には想像もつきません。その点、TBGでは自然環境をどうとらえてショットに生かすかは、各自の選択とはいえある程度まで理解が及ぶといえそうです。その際、選択が正しくても、それを活かすだけのスキルが足りなければ押して知るべしということでしょうか。そうとはいえ、遥か上位に位置する先達の放つショットには、ターゲットをとらえる際のなるほどと納得する選択に脱帽します。そんな場面に巡り合った際は、スコアに現れないことを思い切り勉強する場にできるようにしています。いくらスコアで書かれても、その場の雰囲気等までは書かれていませんので。ただ、残念なのは、上級者の方との同伴ラウンドがなかなかできないことです。筆者は絶好の機会を逃さないようにしたいといつも心に秘めてコースに出向き、目の前のことを一所懸命やっていくよう努めています。近い将来には、他の人のモデルになれることを願いつつ。    

ST-11 籠入れの 微妙な距離の 違い知る

 大きなショットについても、フェースの開き方やスウィングの大きさを調整しますが、ミスが出たとしても、広い心で対応すればその後のショットで救われるチャンスがあります。ところが「籠入れ」というそのホールの締めくくりとなれば、一つのミスがスコアに大きく影響します。では籠入れにどう対応するかですが、自分の物差しを作ることが大きな選択肢ではないかと思います。ユーチューブでは様々な動画が公開されていますが、まずはどれが自分にあっているかを見つけましょう。次の段階としてそこを起点に少しずつ変化した状況にどう対応すれば再現性の高い自分の物差しになるかを見つけていきましょう。例えば、籠から1mの距離で高い再現性のあるスキルができあがったら、シャトルボール一個分近づいたところでの籠入れにどう対応するかを見つけるのですが、フェースを0.5cm開けばいいこともあるでしょう。カット打ちを取り入れるといいこともあるでしょう。スウィングのスピードを加えるだけでもうまく行くかもしれません。このようなさまざまなバリエーションがある中で、あなたの籠入れの「再現性を高めるのに適した方法」を練習で見つけるようにしましょう。最終的には練習によって「あなた独自の再現性の高い方法」をいかに早く見つけ出せるかにかかってきます。最近筆者は練習場(川口の北スポTBG場)で様々な方法を試みています。興味のある方と練習場で意見を交わす機会が持てれば幸いです。

ST-10 これからは 頭を使った ラウンドへ 

 私達は、なにをするにも「脳」がその動きを支配していることはご理解されていると思います。これまで、あなたが意識しているか否かは知る由もありませんが、籠入れ、ショットのコツなどを修得してきましたが、すべて脳がコントロールしているのです。そこでこれから新しいことを修得する際は、脳に覚え込ませることを念頭にすると、早くスキルをものにできるのです。脳つまりあなたの「頭(ヘッド)」を使っていきましょうということです。私達の頭は体の一番高いところにあります。私達が使うクラブのヘッドはどうでしょうか。一番高いところにあるのはグリップで、そのグリップはシャフトにつながり、ヘッドが一番離れた所にあります。あなたの頭と対照的なところにあるのです。あなたは、毎日ヘッドを使っており、疲れると休む(寝る)ように、プレーの場面に応じたショットの際にも、クラブヘッドを寝かせたり起こしたりという工夫が欠かせないのです。最大にヘッドを寝かせてあげるのが、マット一枚くらい近場の籠入れになるでしょう。一般にティショットが最もヘッドを起こし(立て)ていくことになります。この「ヘッドの寝かせ方立て方」の度合いは不断の練習で掴み「脳(ヘッド)」に覚えさせるのです。つまり、あなたがプレーに入る時、その場面に応じて「自然に」ヘッドの立て方ができるようになるまで繰り返し練習しておく必要があるのです。ターゲットまでの距離や、風の方向をつかんだりするのが「場面」を掴むということですが、これらを正確に掴めればあとはあなたの脳がクラブのヘッドの立て方、クラブの振り幅を自然にコントロールしてくれるようになればしめたものです。敢えて言えば、脳がこうしなさいと体を勝手に動かそうとすることに素直に従ってクラブを振るようにすればいいのです。脳の指令に逆らって余計な力を入れていこうとする限りステップ・アップは望めません。それではさっそくクラブヘッドを自由に使えるようになるまで、騙されたと思わずに、あなたの脳にスキルを覚え込ませるという目標を持って練習場に足を運んでみましょう。     

ST-9 「トラップ」の 理解が進めば 夢叶う  

 スコアが安定しないという悩みの種を持たれているTBG愛好者が多いようです。筆者はその大きな原因を考えてみると、コース設計者が意図したトラップにあるのではとの思いが膨らんできます。トラップのいうと、ゴルフ同様「池、川、バンカー等」がありますが、TBGというゲームでは「樹木、馬の背、砲台、風、雨」も挙げておいた方がいいようです。飛ばし屋に有利といわれるトラップのないコースや風のない日のプレーが楽しいでしょうか。トラップを克服して目標としたスコア作りが出来た日のプレーには私達に充実感を与えてくれます。これらのトラップにはまらないためにはどうすればいいのでしょうか。徹底的にトラップを避ける攻略プランを練ることが挙げられます。しかし、トラップを避けるために「シャトルボールをどこに運ぶかというプラン」を立てるだけなら、サルでもできるかもしれません。私達に求められるのは、そのためのスキルを修得しておくことにあります。「トラップまでの距離の把握」、「コントロールショットの正確さ」、「トラップの正しい把握」、「籠入れのスキル向上」等が挙げられます。これらは別の場所で説明されているように、日々の練習で向上が望めます。このようにスコアに大きな影響を与えトラップに準じたものとして加えていただきたいものに「同伴競技者」があります。「あの人とは一緒にラウンドしたくない」とか、逆に「あの人と一緒に回りたい」という声が聞こえるのがそれです。「同じ組になった人により、スコアが大きく異なる」という人が非常に多いのです。この波をなくすことが先決かもしれません。楽しくプレーしたいのは分かりますが、大会開催時の組合せでは、誰が同伴競技者になるかということは「神(大会の組合せを決める役員ではなく)」のみぞ知ることなのです。同伴競技者と似て非なるのが「メンバー」ですが同義ではないのではっきりと使い分けをしていきたいものです。      

ST-8 ここにその ゲームを楽しむ ヒントあり

 これまで、基本からのスキルのステップ・アップについて述べてきました。その際ある意味トレーニングに近いこともするようになるのですが、トレーニングの原理についても述べておいた方がいいかなと思います。それは3つの原理についてです。「過負荷の原理」「可逆性の原理」そして「特異性の原理」です。「過負荷の原理」とは、「少し大きめの負荷を与えないと鍛えられない」というものです。身体が少しきついと感じる程度の負荷を与えることが必要です。ステップアップのための新しいスキルを身につける際にも、同じことが言えます。「可逆性の原理」ですが、体が覚えてしまうまでの間はもちろんですが、継続しないと私達の体は元に戻ります。「特異性の原理」とは、今までやったことがないのですから、やったことにより上達するのであって、やらないことは当然上達しないのです。観ただけでなく、頭で理解するだけでなく、実際にやってみることが大事です。この3つの原理を理解したらすれを継続しましょう。気の置けない仲間の方々と一緒に歩むようにしていければ、あなたのスキルの再現性が確実に身についてきたことをお互いに実感できることでしょう。

ST-7 認めてよ! 今自分に できたこと

 基本から応用の世界に入ったあなたにとって、新たなスキルに挑戦すると、ほかの人は簡単にできているのに自分にはそのポイントが分からないということが出てくるのは極めて自然です。しかし、それは心配ご無用です。基本を真剣に勉強してきたあなたには、「これだったのか」という目からうろこが落ちる瞬間がきます。その瞬間をつかみ切れば、その後はそのポイントを繰り返すことにより間もなく自分のスキルになって しまうものです。もしあなたが、そのポイント掴んだ仲間の傍らにいたのなら、「ナイス!!」の一言でほめてあげてください。その一言が、仲間の大きな喜びに終わらず、実力向上の大きな力になり、その瞬間に居合わせただけであなたにとっても良い経験として生きてきます。筆者の後期高齢者の年齢になると、残念ながら喜びを感じる機会が減ってくると認めざるを得ません。「情けは人の為ならず」の想いは、TBGライフの中であなたを一際大きくしてくれることでしょう。

ST-6 繰り返し 自己鍛錬の 最善策

 自分のTBGライフにとって、これが自分のTBGだという「こだわり」を持って、出来れば毎日同じ時間に繰り返し練習・鍛錬しましょう。その際には、基本をベースにしつつも、是非あなた独自のスタイルを作り上げてください。基本はあくまでも基本です。体は、一人ひとり特徴があります。あなたの体の特徴を無視したプレーは再現性の面で見劣りします。どこかおかしいという違和感を覚えた場合は、良き先達に相談するのが近道かもしれませんが、コースで他の人がプレーしている所で参考になりそうだというところがあったら、試してみるのも一法です。変わることに憶病にならずに、一つでもステップ・アップ出来そうな点を探す努力をしてみましょう。

ST-5 さりげない ことにもそっと 目を向ける

 あなたは、「シャトル」のことをじっくり観察したことがありますか。シャトルのことを知ると、TBGというゲームが変わってくるのではないかと考えています。羽根がついていることでシャトルの飛びにどんな影響があるのか。飛距離が落ちる、スピンがかからないの2点は誰もが知っていることです。では、籠入れのときに僅かな時間の間にクラブフェースがどのようにシャトルとコンタクトしているか考えてみましょう。ショットと籠入れとでシャトルにクラブフェースのコンタクトの仕方が変わることにより、シャトルの弾道にどんな影響があるのか。目には見えない空気抵抗がシャトルの飛び方にどんな影響を与えているのかを想像してみたり、あなたの眼で確かめてみてください。これからの長いTBGライフにきっと役に立つでしょう。

ST-4 五つ目の 道具は「脳」と心得る

 これまで「TBGの道具」というと、クラブ、シャトル、マットそしてカゴといってきました。これまで身につけてきた今のあなたの実力から、新たに購入する必要はないのですが、五つ目の道具として「脳」を追加するようお勧めします。今までの「道具」は、いってみればそれらの姿かたちは大同小異に見えますが、今回加えていただきたい道具としての「脳」はまだまだ余裕があるあなた独自のものです。まだまだ使い切っていない「脳」を、これからは存分に使っていきましょう。貴重な知識源を大いに活用し、あなたが得た知識を自分の中で整理する作業を加えたうえで、鮮度の落ちないうちに仲間に語ってみてください。あなたの得たスキルを「こんなにいいことがあったよ」と言葉の御馳走でおもてなしをしましょう。言葉にすることで、あなたの「脳」はその知識を確たるものとしてあなたの中に住みつくことでしょう。

ST-3 そこにいる 人のスキルを 戴こう!

 あなたの周りには、宝とすべきスキルにあふれています。隣の人の「力を入れているように見えないナイスショット」、いかにも華麗に見えるのに「結果が伴わない籠入れ」等々、他人を観察・分析し、そのスキルを取捨選択し、そして謙虚に分析し、今まで自分にできなかったことで自分にできることを吸収しましょう。色々なことを知るということで知識が増えたとしても、器用貧乏になってしまっては結局何もできないことと同じだという人がいますが、あなたにはまだまだスキルを吸収できるキャパシティがあります。先達の知恵を踏み台として活用するようにして自分の知恵に重ねるのです。しかし、悪い習慣ほど簡単に身に付くものです。休憩所で休んでいるとき、回りに目を向けて、無為な時間を少なくしましょう。自分に取り込めそうなスキルを盗み取っていくように時間を有効に使うという「正しい習慣・良い習慣」を身につけましょう。これもメモに書き入れます。

ST-2 毎日の たゆまぬ努力が 実を結ぶ 

 あなたは、日々ラウンドされていて、いつの間にか一所懸命になっている自分の姿に思い至ることでしょう。楽しいことには充実感があり、覚えてきたスキルをプレーに生かせたことを実感することで、今できたことに充実感を覚えます。こんな時、自分にできることとできないこととの違いが何かを考えるようになります。今までできなかったことの原因を探り出来なかったことが出来るように努力するようになってきた自分に目覚めます。そこで役に立つのが、あなたが記録してきたメモです。先達の教えかもしれませんが、過去に自分がミスした場面で、どのように練習して自分のものにしたのかは、当時の「アハ!そうだったのか」と納得し、自分が体験したときの生の気持ちを自分の言葉で書き残してきたからこそ実感できるのだといえます。日記を書くことに抵抗があった方にとっては、これから先書き残していくことを習慣にするには「忍耐力」が必要ですが、後々の自分のためだと思って続けていきましょう。

ST-1 世の中の 栄えるショップに ヒントあり

 あなたのご近所にも店舗を拡大しつつある通称「100円ショップ」を目にされていることでしょう。そのショップの商品には、品数が豊富であるだけでなく、びっくりするような工夫がこらされていると思いませんか。日常生活に即応用できるだけでなく、組合わせにより更に便利さが増します。また最近は、200円、300円、500円のものまで売られています。なぜ「100円ショップ」のことを話題にしたかというと、あなたのこれまでに修得してきた「TBGの技術の基本」が、この品ぞろえと同じだと考えられるからです。「200円、・・・」の商品を見ていただくと、ほんの少しの工夫が凝らされていることで、商品価値がびっくりするほど向上しているのが分かります。このことを参考に、あなたはこれまで修得してきたTBGの技術の基本を今後どう組み合わせ、一つ上の技術にステップ・アップさせていくかという段階にあることの参考にしていただきたいのです。これまでは、ラウンドを楽しむことに重きを置かれてきた方が多いことでしょうが、新しいことを一つ一つ吸収することに喜びを見出すことにとどまらず、念のためにメモとして自分の成長度合いを記録として残されることにより新たなプレーに挑戦されるようお勧めします。